ピアノの楽器選び
- 実佳 匂坂
- 2024年5月16日
- 読了時間: 6分
ピアノを習い始めたら、自宅での練習のために楽器を買う必要があります。
でも、どんなピアノを選べばいいのか分からない、どうやって選べばいいか分からない、そんな方向けに今日は記事を書きます。
目次
1. ピアノの種類
一口にピアノと言っても、音の出す仕組み、形やサイズ等によっていろいろな種類のピアノがあります。ここでは家庭でよく使われる電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノの3種類について説明します。
(値段については物によって説明より安いもの、高いもの様々ありますが、家庭での使用を想定した一般的な目安として載せています)
①電子ピアノ
その名の通り、電源を必要とするピアノです。
値段の相場は10〜25万円くらいでしょうか。アップライトやグランドピアノに比べて値段がお手頃で買いやすいのが最大の魅力だと思います。調律などのメンテナンスも必要ありません。
他にも、限られたスペースでも設置できる、音量の調整ができるので、近所への配慮もしやすい、などの良さがあります。
ただ、電化製品であるため、寿命は10〜20年と、他のピアノに比べると短めです。
またアコースティック(電源を使わないもの)のピアノに比べると音量や表現の幅が狭くなります。

②アップライトピアノ
アコースティックピアノの一種類で、形が縦型のものです。
電子ピアノよりは大きめですが、グランドピアノほど場所をとりません。
電子ピアノと違って、音量など、すべて自分の弾き方によって決まってきます。
細かな指の力加減は電子ピアノより身につきやすいと思います。
強く弾くと、楽器自体が響いているというのも感じられるのではないでしょうか。
耐久年数も電子ピアノより遥かに長くなります。使われ方やお手入れにもよりますが、長く使うことができます。私の家では母が買ってもらったピアノを、50年くらいたった今も使っています。様々な長さ・種類の弦を張り、打弦することによって音を出すので、定期的な調律が不可欠です。(1年に1〜2回ほど)

③グランドピアノ
コンサート会場などでも使われ、ピアノといえばこの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
グランドピアノの中にも様々なサイズがあり、楽器のサイズに比例して、発音する弦の長さは長く、響きを増幅させる響板の大きさは大きくなります。同じアコースティックでもアップライトとは比べ物にならないほど多彩な音色を出すことができます。
値段も一番高く、家庭でよく使われるのは250〜350万円ほどかなと思います。
アップライトピアノと同様、定期的な調律が必要です。
また、楽器か大きい分、音もよく響くので、マンションなどでは防音対策もしっかり行うのが良いですね。

2. 目的別・選ぶべきピアノ
①ピアノを始めたばかり・初心者

電子ピアノ〜アップライトが値段的にも買いやすいかと思います。
まだピアノによる違いなども分かりにくいと思うので、先生や店員など専門の知識のある人の話も参考に買いましょう。
まだ続くかわからないし、安いキーボードで…という考えは禁物です。
最初に弾き方の変な癖がついてしまうとなかなか直すのにも時間がかかるので、電子ピアノでもなるべくアコースティックに近い物を買いましょう。
②近い将来コンクールに出れるようになりたい
アコースティックのアップライトかグランドピアノをお勧めします。
本番のピアノはグランドピアノのことがほとんどです。日頃から本番に弾く楽器となるべく近いもので練習できると、本番のグランドピアノでの音の出し方も良くなります。
審査をするピアノの先生たちは、音や弾き方で普段練習でどんな楽器を使っているかだいたい想像がつきます。
コンクールではミスがないか、だけではなく、音の響きや音色なども聴かれるポイントなので、練習の時からそれらが表現できるピアノだと良いですね。
③専門的に学びたい・演奏家になりたい

グランドピアノを買ってください。
音大に行きたい、プロの演奏家になりたいという人にとって、これは必要条件になってきます。
演奏家になるためには、強い弱いだけでなく、優しい・明るい・暗いなど色んな種類の音が出せるようにならなければいけません。アップライトでは表現の幅がかなり限られます。私自身が通っていた大学の先生もアップライトでは練習にならないと常々おっしゃっていました。
グランドピアノなら何でも良いというわけではなく、サイズもある程度あるものが良いです。ヤマハならC3以上のものをお勧めします。
3. どこで買う?
ある程度ネットで情報を得るのは良いですが、それだけで決めるのは絶対にやめましょう。買う前に必ず実際に弾いてみて下さい。
近くの楽器店を探して、違うメーカーをいくつか回ってみてください。
電子ピアノであっても、家電量販店ではなく専門の楽器店のほうが良いと思います。
グランドピアノの場合は様々なモデルをまとめて展示している店舗などもあるので、そちらへ行ってみるのが良いでしょう。
4. お店へ行ったら、どうやって選ぶ?
まずは気になるものを色々と弾いてみましょう。
繰り返しになりますが、情報だけでなく、弾いてみての感覚が一番大事です。
候補が絞れたら、専門スタッフの説明もぜひ聞いてみてください。
電子ピアノを買う時も、アコースティックに弾き心地が近いものを選ぶために、弾き比べてみると良いと思います。
アコースティックは、同じモデルのものでも1つ1つ音が違います。これは作り方は同じでも木材などの天然素材は全く同じものはないからです。
グランドピアノは同じモデルのものを触るだけでなく、特に買うものを弾いてみて決めるのが良いです。メーカーによっては工場などで試弾して決めることが可能なところもあります。
5. 主なピアノメーカー
コンサート開場でよく見かけるピアノメーカーはYAMAHA(ヤマハ)、KAWAI(河合楽器)、STEINWAY(スタインウェイ)です。
スタインウェイはピアノの中でも最高級品と言われるもので、かなり値段もします。家庭用と考えるとYAMAHAやKAWAIのものが現実的かなと思います。
電子ピアノにおいてもYAMAHAやKAWAI製のものは楽器メーカーのノウハウが生かされています。ローランドもよく使われる印象です。
6.まとめ
初級者→電子ピアノ〜アップライト
コンクールに出たい人→アップライト〜グランドピアノ
演奏家になりたい人→グランドピアノ
がおすすめです。
電子ピアノは値段はお手頃ですが、寿命は短く、音色の表現の幅も狭くなります。
アップライトやグランドピアノは値段は電子ピアノと比較すると高く、調律などのお手入れも必要になりますが、長く使うことができます。
ピアノ選びは本番で弾くアコースティックピアノを念頭に、必ず弾き心地を確かめて買いましょう。
皆さんのピアノ選びの参考になりましたら幸いです♪
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