合唱のピアノ伴奏
- 実佳 匂坂
- 2024年7月24日
- 読了時間: 4分
秋の合唱コンクールや卒業式での合唱に向けて、これから伴奏に取り組む方も多くなってくる時期ですね。私自身、小・中学校での合唱の伴奏から、大学の合唱団、今でも大人の方の合唱団の伴奏と、たくさん経験をしてきました。また、最近では非常勤として勤めている学校で、伴奏者を選ぶ側としてオーディションも聞く機会もありました。そんな経験をふまえて、合唱の伴奏をする上でのポイントをいくつかお伝えします。
【目次】
1.大前提!止まらずに弾こう
2.テンポをしっかり刻む(バスを大事に)
3.前奏や間奏は…
4.歌に合わせる
5.曲をしっかりもりあげる

1.大前提!止まらずに弾こう
本番だけでなく、練習やオーディションの時から止まらずに弾けるようにしっかり練習しましょう。オーディションの時につっかえながらだと、この人が伴奏者では不安だなと思われてしましますし、練習で止まってばかりだと歌う方も困ってしまします。
伴奏をするときには、止まらずに弾けるのが当たり前の状態にしておきましょう。
2.テンポをしっかり刻む(バスを大事に)

弾きにくいところや、音が細かいところなどでゆっくりにならないようにしましょう。
歌う人がしっかりリズムに乗って歌えるよう、伴奏はテンポ通り弾きましょう。
また、一人でピアノを弾くときは右手がメロディー、左手が伴奏というパターンが多いので、右手を大きく弾くことが多いと思いますが、合唱の伴奏では、左手のバス(低い音)をしっかり弾くと、歌う人もリズムに乗りやすいことが多いです。そしてバスが合唱全体の支えとなり、バランスが良くなります。
3.前奏や間奏は…

合唱曲の伴奏にはたいてい前奏や間奏など、一人でピアノを弾く部分があると思います。
そこはピアノのソロだと思ってしっかり聴かせる演奏をしましょう。
その曲はどんな曲なのか考え、曲の世界観や雰囲気を伝えられるようにしましょう。
明るい曲なら音も華やかな明るい音、悲しげな曲なら少し暗い雰囲気の音など、音色から曲の雰囲気が伝わるようにすると良いと思います。
聴いている人が「あ!素敵な曲だな」と弾きこまれるような演奏ができるといいですね。
特に前奏は最初に曲の印象を決める部分です。よく考え、たくさん練習しましょう。
4.歌に合わせる
歌をよく聞いて合わせましょう。
当たり前のことなのですが、伴奏で手いっぱいで歌を聞けていない人も意外と多いです。
伴奏がある程度弾けるようになったら、歌いながら練習をしたり、誰かに横で歌ってもらいながら練習するのもよいと思います。
また、特にブレスを意識すると良いでしょう。
歌う側も歌いやすくなりますし、聴いている側も歌と伴奏がより一体となって聞こえると思います。
ブレスの時は止まりはしませんが、歌う人が息を吸って声が出る瞬間に、伴奏も入るタイミングを合わせるのが大事です。テンポは変わらずに、歌に合わせての若干の音の伸び縮みができると自然な感じに聞こえてきます。そのタイミングをつかむためにも自分で歌って伴奏を練習するのはとても効果的です。
5.曲をしっかりもりあげる
サビの部分の前で伴奏がだんだん大きくなって盛り上がっていく、というのもよくあるパターンです。
この時に「小さい→大きい」をはっきり伴奏で作れると効果が絶大です。
合唱の方もその伴奏の雰囲気にのってしっかり歌えると思います。
盛り上がるところだけでなく、曲中で雰囲気が変わる部分などでも、まず伴奏でしっかり変化が作れると良いです。
いかがでしたか?
合唱の伴奏は、劇で例えると背景やセットのようなものです。それによって舞台の印象もかなり変わります。
伴奏だから…と常に一歩下がったところで小さく弾くのではなく、合唱全体を支え、包み込み、歌と一体になった演奏ができると良いですね。
さぎさかピアノ教室ではご希望であれば、伴奏のレッスンも行っています。気になる方はぜひお問い合わせください。
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