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中古のピアノを買うのはあり?

  • 執筆者の写真: 実佳 匂坂
    実佳 匂坂
  • 2024年5月23日
  • 読了時間: 4分

グランドピアノの購入を考えているけど、新品は高い…

中古のほうが安いけど、そっちを買ってもいいの?と悩んでいる方へ、今日は新品と中古のピアノについて詳しく書きたいと思います。


目次




1.新品と中古の違い

値段の違い、ということの他に、大きな違いがあります。


それはピアノの部品の消耗具合です。

ここに違いがあるので、自然と値段も変わってきます。


ピアノの一番外側の木でできた部分は、よほど湿度や気温などの環境が悪くない限りかなり長持ちします。

これに対してピアノの内部に使われている様々な部品は、消耗品です。


(写真:YAMAHAのホームページより)


この写真はグランドピアノを真横から見た時の内部の写真です。

写真の右の方へ伸びている木の先に鍵盤があります。

一つの鍵盤だけで、こんなにもたくさんの部品がついています。


例えば弦を打つハンマーの部分には、フェルトが使われています。

金属の弦を何度も打ち続けていればどんどん硬くなっていきます。

鍵盤からハンマーへつながるアクション部分も何度も動くことによって摩耗してきます。


このように部品が摩耗すると、鍵盤でのタッチが上手く弦に伝わらず、イメージした音が出せない、ということになります。


新品の場合、当たり前ですがこの消耗品も新品の状態ですので、こうした心配はなくなります。




2.それぞれの良さ・買うときの注意点

新品にはもちろん、中古にもそれぞれに良さがあります。

メーカーは日々良い楽器を作ろうと開発・研究していて、良いものは長持ちします

これによって近年は中古市場も充実してきているので、一概に中古が悪いとは言えません。

ただ、ちょっとしたデメリットもありますので、それらを理解した上でどちらを購入するか考えてみてください。




2-1.新品のピアノ


同じ楽器を比較した際、当然ですが中古の物より長く使うことができます。

使うことや環境によって音色が変化していくのを実感できると思います。

また、音の感じなど、自分好みにお願いすれば調律で調整していくこともできます。


一方、デメリットとしては、購入直後は使用量や環境の差による音の変化が大きいかもしれない、ということです。

もちろん製造工場でも、その後たくさん弾かれることを想定して作られてはいます。ただ実際の使用量が多くなると、その分ピアノへの負荷もかかりますので、それによって大きく音が変化していくというのはよく耳にします。

それに加えて、ピアノの大部分は木でできているので、湿度や温度などの影響を受けやすいです。

工場などのしっかり管理されている場所から、一般の家庭へ移された直後はこの影響も大きく受けやすいでしょう。


また、上で述べたハンマーのフェルト部分もまだ新品で比較的柔らかいので、音も柔らかく少しこもった感じになることがあります。




2-2.中古のピアノ


ある程度使われてきているので、新品と比べると音の大きな変化は少ないです。

また、値段を抑えられるのが中古の魅力です。


中古を買うときに気を付けてほしいのは、部品がどのくらい消耗しているか、ということです。

消耗具合にもよりますが、大規模な部品の交換(オーバーホール)が必要になってくることもあります。

ハンマーが固くなっていると、音も固くキンキンした音になり柔らかい音色の幅が狭くなりますし、そんなハンマーで打弦され続けると、弦も切れやすくなります。


一例ですが、私の場合新品を約10年間使用した後、100万くらいかけてオーバーホールをしてもらいました。中古だとそのタイミングがもっと早く来るかもしれませんね。


部品交換の可能性やその値段を加味して新品と比較して検討するのが良いでしょう。

お店によりますが、中古品を買い取った後、きちんとメンテナンスをして再度売りに出しているというところもあります。

中古の場合、買うピアノがどのような状態なのか、必ず詳しく確認できるものにしましょう。


3.まとめ


中古の方が値段は抑えられますが、購入時には気を付けてほしいことも色々あります。

ピアノは長く使うものなので、その場の値段だけでなく、将来のことも考えて検討してみてくださいね。



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